Mr.HOBO
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生きててよかった!
 ぼくは新聞配達をしてるんですよ、いちどやめたんですけどね、
また始めました。みんなが寝てるときにひとりで出て行くのってツライ
ですよ、けっこう。まだだれも歩いていない雪の道に足跡をつける
のがボクなんですよ。4階建てのマンションなどはエレベーターが
ないですからまず4階までかけ上がるとふくらはぎがぱんぱん。
でも、「ごくろうさん!」って言ってくれるんですよ。

 疲れて帰って来てベットに潜り込むんですよ。相棒に言って会社は
午後から出勤にしてもらってるんですね。
「もう時間だよ!遅刻するよ」と叫んでいる母の声は聴こえてるんです。
返事をするのもおっくうなので何も言わず布団の中。あまりにも起きる
気配がないのとイビキの音が聴こえないので母は心配になったんだと思い
ます。よぼよぼ歩いてきておそるおそるボクの布団の足元を触ってるんです。
ちいさな声でボクの名前を呼びながら。もしかして死んでるんじゃないかと
思ってるんですよ。「生きてるよ」とぼくが言うと、「あっ!よかった!」
って。

 いつも母はぼくが配達にいくときむにゃむにゃとなにか言うんですが、
きのうの朝はむにゃむにゃ言わないんです。母が寝ているのを確認すると
布団がちゃんと息で動いてたんです。「生きてる!」
馬鹿げた話のように思われるかもしれませんが、布団が息でちょっとだけ動い
ているのを見ると感動しますよ。息をしているんですよ!
いつか布団が息で動かない朝が来るんでしょうかね?
母さん、永生きしてや。ボクの布団はちゃんと動いてるからさ、
ダイジョウブだよ。


HOBO
コメント
この記事へのコメント
HOBOさん、こんばんは。
なんと言えばいいかわからないくらい感動してます。
布団を息つめて見つめる何秒間かの空気の密度と、
「生きてる」「よかった」
このふたつの短い言葉の重さ。
「絆」という言葉はこんな時にこそ使うものではないでしょうか。
ありがとうございました。
2012/03/08(木) 09:22:52 | URL | タロコ #-[ 編集]
タロコさん
こんな場面を描写していくだけで小説だって書けてしまい
ますよね。ささいな出来事をちょっと書いたコラムにこんな
素敵なコメント、嬉しいなあ。
最近、お世話になってる喫茶店のオーナーが膵臓がんに
なりましてね、末期だということです。生きるということにもっと
真剣に、定期的な検査が必要です。
掛け布団を眺めるのはぼくができる定期的な検査なんですよ。
ひとがやさしくなれるタイミングというものがあるとしたら、自分の
死について考えるときなんだろうな。
タロコさん、いつもありがとう。ぼくは幼稚園がきらいではなかった
んだと思います。消毒液のニオイと昼寝ができること、目をつぶって手の
ひらにおやつをもらうこと。でも母が迎えにきてくれてしょぼくれて
泣いてる写真があるのでキライだったのかなあ。
タロコさんの記事を読んで考えましたが、幼稚園がキライというより、
母と離れるのが淋しかったんでしょうかね?
ぼくが泣いている写真は嬉し泣きの写真なのかな?

HOBO
2012/03/08(木) 11:49:13 | URL | Mr.HOBO #-[ 編集]
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