Mr.HOBO
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我が家にTVがやってきた!
 母もずいぶん年老いて楽しみといえばTVを観ることぐらいで、煙草
をぷぅーっと吹かしながらJ-COMの裏番組、時代劇などを毎日のスケ
ジュールにうまく組み込んでいる。「楽しみがこれしかないからねぇ」
とまた煙草をぷぅーっと吹かして。
 
 最近のTVは性能もよく、色などはメーカーの特徴をアピールするま
でになった。液晶の画面はひとの肌の毛穴まで映し、ぼそぼそと呟く
記者会見の「ちぇっ!」まで聴こえるスピーカーをもつ。一家に1台
ではなく今はもう一部屋に1台、たとえは悪いが刑務所の房の中にだ
って1台はある時代だ。真央ちゃんの泪の跡だって完璧に映し出し茶
の間で観ている日本国民と4年後の約束をした。

 我が家にTVがやってきたのはぼくが幼稚園のときだと記憶する。小
学の低学年のときには箱のようなTVの画面の前になにかスクリーンの
ようなものをつけ、「カラーテレビだ!」と盛り上がったのを覚えて
いる。ぼくはいつも知り合いの家に行き、そのカラーテレビもどきの
前にちょんと座った。「やっぱりカラーテレビはいいなあ!」などと
いい、ウチにカラーテレビがないことを母にずいぶんとおねだりのH
OBOだった気がする。知り合いの家にはぼくの同級生もいたし、その
友人の姉が3人もいたかしましい家だった。みんなでチャンネルの奪
い合い、その奪い合いのなかには他人のぼく、特別参加はみとめられ
てはいなかった。友人の姉さんたちはメロドラマのような番組やサス
ペンス、刑事ものなどをこのんで観た。いまのようにたくさんの番組
があるわけじゃないので、あきらめるようにしてTVの前にすわる少年
HOBO。ドラマをみながら「ほらほら、この男が犯人よ!」とか「ひぇ
ーっ!イライラする。さっさとやっちまえばいいのに!」とか年頃の
女性3人の解説がいまいましい。だけどぼくも「うん、うん」とうな
づいて特別参加の謙虚さを忘れたりしない。ただそのTVの前にとりつ
けたスクリーンのような「もどき」が見たく。

 

 さあ!我が家にも本物のカラーテレビがやってきた。液晶のバカで
かいすばらいいやつだ。テレビしか楽しみのない母の喜ぶ顔が見たか
ったから、オリンピックをでかい画面で観せたかったから。NHKの連
ドラを、コンサドーレに入ったゴンの勇姿を、稲葉ジャンプで揺れる
札幌ドームの模様を、煙草をぷぅーっと吹かしながら笑う母に喜んで
もらいたくてHOBO新しいTVを購入した。長持ちしすぎる今のTVだろ
うから、母にとって最後のテレビになるのかも知れないな。「いい!
値段なんか安くなくてもいい!この店で一番高いテレビ持ってこい!」
なんてヨドバシカメラの店員に言ったら、「やめてけれ、恥ずかしい
よ、母さん」と、母はぼくの上着の袖をつかんだ。

 
コメント
この記事へのコメント
ひさしぶりです、ホーボーさん。
遠音のコンサートがあるんですね。
癒し系もたまにはいいのかもしれないです。
ホーボーさんのこういった記事を読んでますと、しっかり
エッセイしてるというか、ちいさなドラマがいつもあるんだなと
感心させられます。言葉や行の数ではなく表現や描写で心
の奥に置物をする。だからコメントできないひとのほうが多い
のでしょうね。ひとつの作品だから。主人はそれこそガンに
なりまして明日手術です。だからいつもあなたのエッセイには
心うたれているのです。遠音のライブ、音源あったらぜひ。
では。
2010/03/04(木) 20:21:33 | URL | ハリー #-[ 編集]
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