Mr.HOBO
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ひとりとは。
ヤマトという名の猫を飼っていたことがある。
黒い猫だったから黒猫ヤマトと名付けた。
臆病な猫だった。

出窓のある5階建てのマンションに住んでいた。
5階の一番はしの部屋だった。
朝起きるとヤマトがいなかった。
探したが部屋にはヤマトの影はない。
出窓がすこし開いていた。
「まさか......」
ぼくは窓をあけて下を見た。

下に停めてあったぼくのスターレットの屋根の上で
ヤマトは震えながらしゃがんでいたのだ。
ぼくは急いで降りていった。
ぼくの姿をみつけたヤマトは震える声で泣いた。
鼻をすりむいただけだったがヤマトはぼくの腕のなかで震えていた。



ぼくは今10階建てのマンションのベランダから身を投げること
だってできる。ぼくはひとりであることの怖さを知らない。ほんとうに
ひとりだと気づくときは、そうだな、それはすでに死んでいるという
ことか。誤って落ちてしまったのか、部屋を出たかったのか、ヤマトに
訊いてみたいがヤマトはもういない。ただ、ぼくの腕のなかで震えていた
黒い猫は確かにぼくの腕のなかにいた。
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2010/01/22(金) 12:41:21 | | #[ 編集]
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