Mr.HOBO
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コーヒーカップと小桜インコ
 大切にしていたジェダイのコーヒーカップが壊れてしまった。
ハンドルのところが折れてしまったのだ。壊したのはぼくじゃない。
母がまたやらかしてくれたのだ。以前もギターをふんずけて割られた
ことがあるHOBOだが、さすがにそのときは殺意がわいた。
罵倒され、泣くまでやりこめられた母は「年金で弁償するから..... 」
とぽつりと詫びた。人としてちいさいと反省したHOBOだが、また母に、
今度は高価なジェダイのカップをやられちまったのだ!

 疲れて帰ってきてコーヒーでも飲もうかとカップを見ると取っ手の
付け根にひびがはいっているように見えた。ひびではなくそれは完全に
もげていて、ボンドできれいにくっつけてあったのだ。
母が洗うとき手を滑らせたのだろう。もげてしまった取っ手を見て
母はどんな気持ちになったのだろう?またぼくにののしられ殺意に満ちた目で
にらまれるのかなと思うと生きた心地がしなかったろうな。かわいそうだな。
今度はギターのときとはちがう、デカイこころのHOBOになるんだと、
こう言ってやったのだ!ふむふむ。
「あれ?これ不良品だね、母さん、ボンドでくっつけてある。
気づかなかったなあ。まあいいか?これも味だと思えばいいもんな!」って。
母はすこし気まずそうな顔をし、白状した。
「ごめんよ、それ、母さんが割ったんだ。ごめんよ」と言った。
ぼくは目頭が熱くなって
「いいよいいよわざとやったんじゃないんだから、年金はいらないから!」
と笑ってやると、母はこくんと頷いた。
次の日の朝ぼくの目玉焼きは2個ではなく3つになっていて、どことなく
テキパキしている母の横顔をぼくは頼もしく眺めたのだ。



 ぼくが小学生のころ、3年生のときだったろうか、
小桜インコを飼っていたことがあった。
みどりと赤のかわいいインコ。
ピーコという名をつけた。
小次郎という近所でも有名な野良猫がいつも狙っていたからぼくは
小次郎から身を守るピーコのボディーガードになったのだ。
母もピーコをかわいがってくれて、母の肩の上でぴーぴーと可愛らしい
声で鳴いた。
 いつだったか夕食を済ませドリフの全員集合をみているとき、母が
「あら、どっかでぴーぴー鳴いてるねぇ、ピーコ?ピーコ?」と
言って心配顔。
探そうとして椅子から立ち上がったとき母の尻の下でピーコは
死んでいたのだ。よく見ると目から泪をながし。
ぼくは母を罵倒し、ののしった。ギターをつぶされたときのように!
「返せ!ぼくのピーコを返せ!返せよ!」と
母の背中を何度も強くたたきながら!
母は次の日、ソックリな小桜インコを買ってきてカゴにいれぼくの
帰りを待っていた。
ぼくはすこし驚いたが「これはピーコじゃない!ピーコは死んだんだ!
母さんが殺したンだ!」とまた罵倒した。



 ぼくは40年以上も前のことを、コーヒーカップのボンドを眺めながら
想いだしていた。母もあのときのことを想いだしたにちがいない。
ぼくはあのときできなかった思いやりのキャッチボールをしたくなった。
母の気持ちになり母の受けやすいボールをゆっくりと母の胸をめがけて投げて
やりたい。1年前にとってしまった右側の乳房にぶつけないように
思いやりのキャッチボールを。
母はあまり遠くまでボールを投げれないので
ぼくはいつも母の横にいて。
いつもぼくは母の横にいて。


 でかい男になりたいと思う。
 でかいのは顔ではなく。
  


 こころ。


 
コメント
この記事へのコメント
そっかい やっちまったか・・・
それこそ しゃーない ★
無言で ひとつ こっそり持っていってくれ
二つはだめだぞ !! 

家にもピー子居たな~
チョン子 はネコだったが
ピー子 は山口百恵の これっきり これっきりと 歌った しゃべった?
お祭りに買ったヒヨコは 朝 ムゴク つぶされていた己に★

チョン子 は 洗濯機の方からギャーと泣いて 
あわてて洗濯機の中探したが  居ない・・・ 
洗濯機の 下から ヒョロヒョロ 出てきた・・・

我が家は 今でも 母と喧嘩する が
喧嘩するだけ元気だと 理解しているよ
後で 互いに 気まずく後悔するが 

楽しく 喧嘩してくれ 絆は人一倍固いと思うよ★
2010/01/19(火) 01:45:08 | URL | 暁 #-[ 編集]
AKKIへ
ちがうちがうあのカップじゃない!
もとからあったDハンドルのやつ。
あれは会社のデスクの上にあるさ。ベージュと。笑

喧嘩はしてくれないんだよ、飽きられて。
ベースはやってるかな?ムスコ。
2010/01/19(火) 03:36:03 | URL | Mr.HOBO #-[ 編集]
いい話ですねえ。
母と息子のそれぞれの何とも言えない想いが伝わってきて、
なんだかじんとしました。

年をとるとね、目も悪くなるし、距離感覚も鈍ってくるし、握力も弱くなるので、ものを落としやすいんですよ。
HOBOさんが大切にしてらっしゃるとわかっているコーヒーカップ。それを割ってしまって、そっとボンドでくっつけようとしているときのおかあさまの気持ちを思うと、そうして、怒らなかったHOBOさんの気持ちを思うと、
せつなくなります。

やさしいキャッチボールですね。
いいなあ。私ももっと母と一緒にいたかった。
いればいたで、きつい言葉を投げていたりしたかなあ。

でかいのは顔でなく。というところでは笑っちゃいました。
ごめんなさい(わらい)。
暁さんとのコメントのやり取りもなんだかいいですね。
2010/01/19(火) 20:25:38 | URL | 彼岸花 さん #bKDOO.Zg[ 編集]
でかい顔
彼岸花さん、いつもありがとうございます。
きのう久々にAKKIに会ってきました。同級生で唯一付き合いの
ある彼、元気そうで安心していたところです。
野球のコーチが急死したり、むかしの歌手が死んだり、なんか
淋しいですが、ぼくたちはいつまでもとっちゃン坊やで、
デカイ顔の。

健康、こころの健康、いつまでも。
友達っていいですね。
なんかそう思います。
2010/01/21(木) 00:04:29 | URL | Mr.HOBO #-[ 編集]
失礼いたしました(笑)
でかいのは「こころ」。
ほんとにHOBO さん、そんな感じです。
でかいだけでなく、繊細で深い、という気がいたします。

今日は私のところに、温かいコメント、ありがとうございました。
私が落ち込んでいると、いつもHOBOさんが励ましてくださる。
もう、ずっとそうですね(笑)。

私は逆にHOBO さんに何か力を差し上げられているとは思えないのが申し訳なく。
でも、沈丁花、いや彼岸花が一所懸命生きてるって姿をお見せする、
それだけでいいんですかしらね(笑)。
こころの同志、として。

お礼をいう場がないので、この場をお借りしますが、
とりわけ、沈丁花の家をお訪ね下さったら、
手を振っている沈丁花がいたような気がした、
というお言葉にじんとしました。

なんだか、長いお付き合いのような気がしますね。不思議です。

いつもありがとう、HOBOさん。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。 
2010/01/22(金) 00:57:31 | URL | 彼岸花 さん #bKDOO.Zg[ 編集]
彼岸花さん
いえいえ、お礼をいうのはこちらなのです。
彼岸花さんの文章はとても詩的で、なにより品がある。
コメントもそのレベルにあったものと考えると逆に身が引き締まる
思いです。どうにかぼくも彼岸花さんの域まで到達したい。
文章には必ず書いたひとの人柄が出ると言いますよね。
会社でイヤな事があっても、どんなイヤなひとに使われていても、
ぼくには自分を表現できる力があるのだ、と思えば辛い事も乗り越え
られるような気がするのです。自分の言葉で自分の曲で自分の声で。
高い所を目指すプライドが根拠のあるものであるよう、いつも
アンテナをたて、感じ上手で。

ほんとうに永いお付き合いのような気がしますね。
健康と夢とそしてデカイ顔。
そんなこんなでHOBO、明日も目覚めるのでしょう!
よろしくです、彼岸花さん。


HOBO
2010/01/22(金) 03:39:47 | URL | Mr.HOBO #-[ 編集]
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